第5回わらび市民映画まつり

上映作品
- 「貸間あり」 10:00~12:00
- 「肉弾」 13:00~15:00
- 「独立愚連隊」 15:20~17:20
- 「雁の寺」 17:40~19:20
詳細
開催日
平成26年2月23日(日)
入場券
前売券 | 500円 ※4本鑑賞できます |
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当日券 | 1作品につき500円 |
お得な前売り券をお早めにお買い求めください
前売り券取扱所
蕨市民会館 | 048-445-7660 |
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蕨市立文化ホールくるる | 048-446-8311 |
下田屋(北町) | 048-443-3737 |
魚亀(錦町) | 048-443-6830 |
志誠堂(中央) | 048-441-1515 |
関口商店(塚越) | 048-442-0867 |
根岸クリーニング(南町) | 048-442-4910 |
石川 | 048-441-5496 |
仲内 | 048-444-3176 |
主催
蕨市民会館・カルチャーショックわらび・文化庁・東京国立近代美術館フィルムセンター
共催
蕨市
協賛
松竹ブロードキャスティング株式会社
協力
株式会社オーエムシー
お問い合わせ
蕨市民会館 TEL 048-445-7660
関連ファイル
作品紹介
1.「貸間あり」 10:00~12:00 (1959年 宝塚映画)
出演 | フランキー堺・淡島千景・乙羽信子・浪花千栄子・清川虹子・小沢昭一・益田キートン(喜頓)・市原悦子 |
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原作 | 井伏鱒二 |
脚本 | 川島雄三・藤本義一 |
監督 | 川島雄三 |
45歳で世を去った川島雄三監督の東京映画時代の代表作であり、喜劇映画作家としての稀有な才能を存分に発揮した快作。当時駆け出しのシナリオライターであった藤本義一と川島が奔放に脚色。遥か通天閣を見渡す天王寺の夕陽ヶ丘に立つ風変わりなアパートに暮らす、奇妙な住人たちの生態を、下品さと紙一重の人間臭い猥雑さのなかに描いている。
器用で人から頼まれたら断れない性格、そのくせ素直になることを恥じて逃避してしまうフランキー堺演じるインテリの主人公は、まさに川島監督の自画像と言えるだろう。熟練のバイプレーヤーたちが、怒涛のように畳み掛けるアンサンブルも圧巻。この時代、川島監督とのコンビが多かった名手・岡崎宏三のキャメラが、破天荒なドラマを端正な画面のなかに収めている。
2.「肉弾」 13:00~15:00 (1968年 『肉弾』を作る会=ATG)
出演 | 寺田農・大谷直子・伊藤雄之助・小沢昭一・田中邦衛・笠智衆・北林谷栄・中谷一郎・天本英世・春川ますみ・仲代達矢(ナレーション) |
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脚本・監督 | 岡本喜八 |
撮影・照明 | 村井博 |
音楽 | 佐藤勝 |
日本の敗戦も知らず、魚雷をしばりつけたドラム缶の中で、海に漂いながら敵船を待っている「あいつ」。この作品は、東宝所属の監督とし活劇や喜劇に力を発揮していた岡本喜八監督が、ATGの低予算の映画づくりに挑戦。多くの監督が、大手では撮れない自前の企画を次々と映画化したが、中でもこの作品は資金的な制約にもかかわらず「キネ旬」ベストテン第2位など好評を得た。
映画に描かれた「あいつ」の人物像や軍隊生活の愚かさは、戦争中の岡本監督自身の体験に基づくものと言われ、この監督の背景となるもう一つの出自を明らかにした。寺田農の「あいつ」が出会う少女役の大谷直子が、初々しい魅力を放っている。
3.「独立愚連隊」 15:20~17:20 (1959年 東宝)
出演 | 佐藤允・雪村いづみ・鶴田浩二・三船敏郎・夏木陽介・上原美佐・江原達怡・南道郎・中谷一郎・中丸忠雄・ミッキー・カーチス |
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脚本・監督 | 岡本喜八 |
製作 | 田中友幸 |
音楽 | 佐藤勝 |
成瀬巳喜男、マキノ雅裕に師事した岡本喜八は、『独立愚連隊』で戦争末期の北支戦線を舞台にして元軍曹が軍隊の不正を暴きだす痛快娯楽作を大ヒットさせた。シナリオ作家協会賞を受賞した自作の脚本をもとに、西部劇のエッセンスをパロディとして活かしながら、日本映画の伝統にない活劇調の戦争映画を作り上げている。
終戦時に予備士官学校にいた岡本の戦争に対する屈折した思いが滲み出ている。日本人ばなれした魅力を放つ佐藤允を主役に、ミッキー・カーチスら個性派俳優、鶴田浩二や三船敏郎が各々ユニークな役どころを演じている。本作のヒットにより、「独立愚連隊」はシリーズ化され、その後、岡本は大作『日本のいちばん長い日』(1967)を手がけることになる。
4.「雁の寺」 17:40~19:20 (1962年 大映[京都])
出演 | 若尾文子・高見国一・三島雅夫・中村鴈治郎・木村功・山茶花究・小沢昭一・西村晃・菅井きん・万代峯子 |
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原作 | 水上勉 |
脚本 | 舟橋和郎 |
脚本・監督 | 川島雄三 |
水上勉の原作の持つ推理小説風な味わいを残しながらも、厳しい戒律の禅寺での住職と愛人、その関係を見てしまった若き修行僧を中心に、世俗の人間関係の浅ましさを、川島監督特有の鬱屈した視点から描いた彼の代表作。松竹を皮切りに、日活、東宝系の東京映画と活動の場を変えてきた川島監督は、晩年この作品を含め『女は二度生まれる』(1961)、『しとやかな獣』(1962)と、3本の大映作品をとっているが、どれも異色の成功作である。
主演の若尾文子は、この作品の前後から陰影のある女性を演じて高評価され、独特の存在感を表現した。この後も、『越前竹人形』(1963)、『波影』(1965)といった水上文学のヒロインを演じた。