第8回わらび市民映画まつり
上映作品
名女優たちの文芸作品!
- 岩下志麻「五瓣の椿」 09:30~12:13
- 岸惠子「雪国」 13:00~15:13
- 佐久間良子「五番町夕霧楼」 15:30~17:47
- 山本富士子「夜の河」 18:00~19:44(映画会終了)
詳細
開催日
平成28年2月19日(日)
入場券
前売券 | 500円 4作品鑑賞可 |
---|---|
当日券 | 500円 1作品ごと |
前売り券取扱所
蕨市民会館 | 445-7660 |
---|---|
蕨市立文化ホールくるる | 446-8311 |
車貴仙(中央) | 431-5631 |
関口商店(塚越) | 442-0867 |
萬寿屋(北町) | 431-2438 |
魚亀(錦町) | 443-6830 |
根岸クリーニング(南町) | 442-4910 |
塚越 | 石川 | 441-5496 |
---|---|---|
中野 | 442-9991 | |
北町 | 米田 | 443-2763 |
中央 | 木原 | 445-4023 |
小宮 | 432-5404 | |
錦町 | 尾崎 | 443-8018 |
南町 | 高松 | 443-3011 |
勝島 | 443-0819 | |
全域 | 中西 | 03-5615-1056 |
日種 | 267-0691 | |
仲内 | 444-3176 |
主催
蕨市民会館・カルチャーショックわらび・文化庁・東京国立近代美術館フィルムセンター
共催
蕨市
協賛
松竹ブロードキャスティング株式会社
協力
株式会社オーエムシー
お問い合わせ
蕨市民会館 TEL 048-445-7660
関連ファイル
作品紹介
1.「五瓣の椿」 09:30~12:13 (1964年 松竹 大船)
山本周五郎の同名小説を井手雅人が脚色し、川又昂が撮影、野村芳太郎が監督にあたった文芸大作。父の恨みを晴らすために、好色な母と関係した男達を誘惑し、一人ずつ殺害していく娘おしのの復讐を描く。その男たちは、三味線引き蝶太夫、婦人科医、札差屋の倅、芝居茶屋の出方、袋問屋の主人とさまざまだが、死体の傍らにはつねに一輪の椿が残されていた。この陰惨な物語を、岩下志麻は内に気丈さと気品を湛えた演技で好演し、代表作の一つとなった。また、この作品の場合、松竹映画を支えてきた技術陣の力も見逃すことはできない。とくに、主人公の心理描写に赤、白、黒の色彩を効果的かつ象徴的に用いた独自の撮影は、川又昂カメラマンの力量を発揮したものであった。
2.「雪国」 13:00~15:13 (1957年 東宝)
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」・・不朽の川端文学を、文芸映画を得意とした豊田四郎が監督した。日本画家の島村(池部)は、戦争への暗い世相のなかで、越後湯沢の温泉場で逢った芸者・駒子が忘れられず、再びその温泉場を訪れる。二人は互いに惹かれ合うが、駒子には旦那があり、島村は東京に妻子がいた。徐々に惹かれ合ってゆく島村と駒子の心理が、熟練した豊田四郎の細やかな演出で表現される。また、雪国の空気と生活感がにじみでる映画美術も、本作を格調高いものにしている。岸惠子は本作の製作中に、フランス人映画監督のイヴ・シャンピとの婚約を発表、封切と時を同じくしてフランスへ旅立った。1965 年に岩下志麻・木村功主演で再映画化されている。
3.「五番町夕霧楼」 15:30~17:47 (1963年 東映 京都)
田坂具隆監督は戦前からのキャリアをもっ名匠の一人。『路傍の石』、『五人の斥候兵』(ともに1938)などの名作で広く知られる。地味ではあるが、堅実な作風はかねてから定評がある。この作品でも長所を随所で認めることができる。遊郭の佇まいや内部の造りなど、物語の背景に対して、田坂監督ならではの配慮がなされており、表現に厚みをくわえている。脚本家の鈴木尚之によれば、旦那と恋人のあいだで揺れる女の身体と心を描く官能的な場面の演出に先立ち、田坂は佐久間良子に主人公を理解させるために時間をかけた演技指導をしたという。善良な遊郭の女将、娼妓といった設定を意図的にすることで、主人公の薄幸がより純粋に、観客に印象づけられた。回坂には同じ水上勉原作の映画化作品に『湖(うみ)の琴』(1966)がある。キネマ旬報ベストテン第3位。
4.「夜の河」 18:00~19:44 (1956年 大映 京都)
吉村公三郎監督はすでに戦前の名作『暖流』(1939) で、それまでに描かれなかった主体的で理知的なヒロインを描いているが、この主人公も、その延長線上に位置している。舞台は伝統的な京染めの世界である。宮川一夫のカメラが、当時の京都の景色を美しくとらえており、山本の魅力を引き出すために色彩をグレーに絞った効果も発揮されている。愛する男の妻の病死後、「別れ」を選ぶ決然とした生き方は、彼女が新しい女性、誇り高き女を示している。山本は本作を契機にトップ・スターの道を歩み始めた。日本映画の色彩化への過渡期の作品で、吉村監督初めてのカラー作品、夜汽車の漆黒の窓を流れていく赤いネオンサインなど随所に色彩の工夫がある。キネマ旬報ベストテン第2位。